お客様の声(順天堂大学医学部附属 順天堂浦安病院 検査科 主任 澤田朝寛 様)

順天堂浦安病院 検査科のみなさん ご協力:
順天堂浦安病院 様
主観的だった血液検査に客観性がうまれた

順天堂大学医学部附属 順天堂浦安病院 検査科 主任 澤田朝寛 様

順天堂浦安病院様では、サイスの血液検査支援システム「ADMS」を2006年11月より導入していただき、ご使用いただいています。

そこで臨床検査技師の澤田主任に、システム選定のポイントや導入前と導入後の変化、ソフトの使用感など、画像ファイリングシステムのお話を中心に、第一線の臨床検査技師としてのご意見をおうかがいしました。

 

順天堂大学医学部付属 順天堂浦安病院 検査科 主任 澤田朝寛 様

検査科 主任 澤田朝寛 様

第一印象は「非常に使いやすい」

まず、こちらの病院での血液画像ファイリングシステムの使用方法を教えてください。

大きく分けて、2通りの使い方があります。ひとつは異常細胞や骨髄細胞などのいろいろな細胞を形態学的にこのシステムにファイリングする。これは私たち臨床検査技師(技師)の担当です。

そしてもうひとつはファイリングしたものをデータベース化して、これをドクターが症例などから検索、検討します。技師がドクターに調査を頼まれることもありますし、ドクターが自らこのシステムで症例を検索する場合もあります。その他、教育などにも使用しています。

画像ファイリングシステムを使う前はどのようにデータの蓄積や共有をされていたのでしょうか?

いままで使用してきた臨床検査システムで検査結果を数値でとらえることは、これまでもできていました。ただ画像をみることはできませんでしたので、過去の検査結果より実際の細胞を見たい場合には、いつ、誰が、どういう順番でやったかという過去の記録を調べ、それから標本を探し出して、もう一度顕微鏡を使って見直すという煩雑さがありました。 以前はなにか問題があるたびに標本を探して顕微鏡で見直していた
以前はなにか問題があるたびに標本を探して顕微鏡で見直していた

システムを導入して初めて使われた時にはどのような感想をお持ちになりましたか?

いくつかの他メーカーのシステムも比較検討していましたので、こういったシステムに触るのは初めてではありませんでした。その上で、ADMSシステムを使ってみた第一印象は「非常に使いやすい」といった印象がかなり強かったです。これは、導入前に私たちユーザーサイドから「こんな機能がほしい」「こういうことを目的としている」などのリクエストをサイスさんにお伝えし、それをもとにカスタマイズをしてもらったおかげだと思います。このような自由度が高かったことは、非常に大きなメリットでした。

事前に院内の業務フローに合わせてカスタマイズされたものだったので、導入による障壁は少なかったわけですね。

システムの操作性という意味でのハードルはありましたか?

ハードルは高くなかったですね。我々の部署にはたくさんのスタッフが働いています。その中には、コンピューターがそれほど得意ではない方も大勢いましたが、そのような方でも問題なく操作ができました。マニュアルを用意したり特別な講習をする必要はなく、口頭で手順の説明をしただけで、みなさん簡単にマスターしました。

逆にこれは想定外だったと思うことはありますか?

内部システムが走り出すと、今まで見えなかった問題点が顕在化することがあります。当初想定してことと、運用を始めてみたら違ったという細かいギャップはありました。ただ、その都度システムの方で微修正や調整をしていただきましたので、大きな問題にはなりませんでした。

判定の個人差が減り、検査に客観性がうまれた

業務システムの場合、たくさんの人がスムーズにソフトを共有、使用ができるということが重要になるかと思います。

そういった意味で、院内の作業フローに影響はありませんでしたか?

そうですね、誰でも過去の検査結果を共有できるというのは非常に大きいですね。顕微鏡を見るというのは細胞の形態を見るということですから、担当した者によって判定が微妙にわかれることもあります。

特に血液の腫瘍性病変、たとえば白血病などですね。これは極めて判定が難しく、担当者の経験が重要になってきます。経験の少ない人が見ると、判定をあやまることもあり得るわけです。あやまった判定結果は治療に影響しますから、非常に重要な問題です。

これまで、判定の根拠やどの細胞をみて判断したのかといった検査過程は文章で残すことしかできませんでしたから、微妙な形態異常や出現頻度が少ない異常細胞に関しては「私が見たときには確かにこういう細胞があったんだけど…」ということもありました。

それだと、次にみた人が見あやまるということもあり得るし、時間もかかりますね。

そうなんです。画像ファイリングシステムでは判断の根拠となった細胞を画像として保存しておくことができるので、後から別の人が見て再判定をすることがスムーズにできるようになりました。これまで個人の主観的だった検査が、大勢で同じ細胞を評価することによって客観性が生まれた。これは院内の業務フローという枠を超えて治療に直結する、もっとも重要なメリットでした。

それはミスをなくすということに加えて、技師さんが検査の経験を積むという教育面でもメリットがあったのではないですか?

ええ、見解が別れるようなきわどい判断が必要なケースは経験を多く積んだ者が判定をするというのがこれまでのやり方でした。それが今では画像を使うことによって、「この細胞の場合はこういう判断が望ましい」という前例を残していくことで非常に良い教材になりますから、そういった意味でも有意義ですね。

ドクターと技師の意見交換用資料、研修や論文発表にも

ドクターと過去の画像を見ながら意見を交換するという使われ方もありますか?

技師が骨髄検査で採取した骨髄液(血液の製造工場)の細胞を評価した報告書をドクターに提出しているのですが、従来は「どういった細胞が何%いる」といった、数値でしか報告ができませんでした。これが画像ファイリングシステムを使うことで、数値と画像で報告ができるようになりました。報告書に画像が付いているので、数値や言葉よりも微妙なニュアンスを瞬時に伝えることができます。またドクターとしても、数値だけの報告よりも、さらに興味をもって報告書をみていただけるようになりましたし、ビジュアル的にも良くなったという評価も受けています。

他の使い道はありますか?

数値や画像だけでなく、染色体やフローサイトメトリーなどの様々な検査結果をスキャンして取り込むことによって検査結果の一元管理をしています。私たちの施設は大学病院ですから、研修機関でもあります。多くの若い先生や医学生など、教育期間中のドクターもたくさんいます。そういったドクターに対して、細胞形態だけではなくいろいろな検査結果を総合的に判断する研修にも、画像ファイリングシステムが使われています。また、われわれ技師と教授が細胞の捉え方についてのディスカッションをする材料としても使っています。

数値、画像、判断の根拠などの顕微鏡から読み込めるデータだけでなく、染色体やフローサイトメトリーなどのデータをスキャナで取り込み、画像ファイリングシステムで一括して見ることができますから、ドクターがわざわざカルテを開かなくても、好きな時に結果を参照できるようになりました。これもドクターからの高い評価を受けています。

数値や画像だけでなく、染色体やフローサイトメトリーなどの様々な検査結果をスキャンして取り込むこともできる
数値や画像だけでなく、染色体やフローサイトメトリーなどの様々な検査結果をスキャンして取り込むこともできる

他に良かった点はありますか?

ファイリングシステムを利用することによってペーパーレス化が進んで、スペースがとてもコンパクトになりました。患者さんのカルテは5年間保管するという規定があるため大量の紙データの保管スペースが必要になります。コンパクトになったにも関わらず、5年以上の大量のデータを保管でき、好きなときに検索して取り出すことができる。必要なデータをすぐに取り出せるということは、業務の効率化やコスト面でも、非常に良かったことですね。 今でも一部紙での保管をしているが、かなりコンパクトになっている
今でも一部紙での保管をしているが、かなりコンパクトになっている

研究発表会などに使われたことはありますか?

ありますね。学会などで研究発表、論文発表をする場合があります。血液専門医が学会に発表する場合は、発表スライドに画像が必要になります。そこで、われわれが検体を撮り直して画像化したものを使ってドクターが研究発表をした、ということもありましたね。実際にADMSを使った画像が海外の論文にも使われています。

また、ADMSシステムの有用性については、福井で行われた「第8回 検査血液学会」で私の方で発表させていただきました。今後、各方面でこのシステムが活用できればと考えています。

今後求められる医用システムとは

今後、改善してほしい点やサイスに期待することはありますか?

これからの医療業界は、やはり高水準の電子カルテ化が進んで行くと思います。画像ファリングシステムがどういったかたちで、電子カルテとリンクしていくかということがポイントになってくると思います。たとえば、今回の導入では画像ファイリングシステムから報告書をPDF化して電子カルテの方に添付させる、あるいは、カルテに出力した紙をはさむというレベルでの共有化ができています。しかし今後はHTML化して、どこの電子カルテからもブラウザ上からみることができたりすれば、さらに使い勝手がよくなると思います。どこの病院もペーパーレス化が進んでいますから、どのようにして電子カルテ側から血液画像関連のデータを呼び出せるか、これが大きな鍵になってくるでしょうね。


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